上野毛二郎

ラーメン二郎 上野毛店に足を運んだ。

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大ラーメン 全マシ 850円

足を運んだ。とか言ってるが毎月2回か3回くらいは行っている。初めてラーメン二郎を食べてから3年か4年、二郎の店舗は現時点で丁度半分くらい行ったことがあるが、その中でも上野毛二郎は個人的に一番うまいと思っている。

初めて上野毛二郎を食べた時の衝撃は今も覚えている。記憶が正しければ直系二郎はたぶん上野毛が初めてだったと思う(5/24追記:初めては府中でした)それ以前にもいくつかインスパイア系には行ったことがあるが上野毛、ひいては直系の味はそれらとは全く別格だと感じた。

まず店主が強面すぎる(唐突なルッキズム何もこれは私だけの感想ではなくSNS上では「ゴジラ」「ヤクザ」などと形容されていることもしばしばである。しかし上野毛の店主はそれ以上に超優しく、どんなに客が入っているときでも、どんなに手を動かしながらもかならず満面の笑みで「いらっしゃい!」と声をかけてくれるし、勝手のわからない二郎初心者に丁寧に対応する姿は世間一般にイメージされる初心者に厳しい二郎系といったものからは遥かにかけ離れている。一度は小さな子供を連れた夫婦(!?)に取り分ける用の小皿を渡しているところも目撃した。事実として店主が厳しい二郎もまあまああるが、そういったイメージを持って食わず嫌いしている方には是非とも上野毛二郎に足を運んで欲しい。

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生卵 50円×2

次に衝撃的だったのは何といっても味だった。二郎の中でもスープの油と水が混ざり合い白っぽく乳化している『乳化系』と乳化せず油とスープが分離している『非乳化系』の二つに大別され、上野毛は後者なのだが上野毛二郎のスープは格別にうまい。非乳化であることで際立つ醤油の香りと突き抜けるような塩味、それを和らげるあぶらと野菜の甘み、確かに感じる出汁の豚肉の旨味、そんなスープに混ざる事でさらなる奥行きと展開を与えるトッピングのニンニク、やわらかながら食感の強いブタ(一般的なラーメンで言うところのチャーシュー)、そして小麦の香るそれ単体でも甘みのあるやわらかめの太麺、それら全てが素材の味を引き立て合いながら調和しており、それはいわゆる二郎系ラーメンの化学調味料たっぷりだとか、身体に悪い味だとか、超ジャンクだとか、そういうイメージとはかけ離れ、むしろいい日本料理店でいただく素材の味を生かした料理のようなイメージすら感じた。その後『総帥』こと三田本店の山田拓美氏はそもそも二郎開業前は和食の料亭にて修行していたと知りかなり合点が合った。『二郎』が現在の形に近づく前、開店当初は「味が薄くてまずい」と言われたいへん不評で見かねた近隣の中華料理店に師事を申し出られたほどだったそうだが、当初の味は日本料理的なマインドの元に作られたラーメンだったのではないだろうか。

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アツアツの麺をたっぷりのたまごとアブラにからめ、卓上の白胡椒をかけて食べるのがたまらない。自分はこれを『カルボナーラ』と呼んでいる